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冬には、比較的温暖な四国のなかにあって雪化粧することも珍しくない祖谷地方。
そんな寒さも「新祖谷温泉ホテルかずら橋」で露天風呂に浸かっていれば逆に気持ちよく、谷から立ち上る冷たい風は、ほどよく火照りをさましてくれる。
専用のケーブルカーで約2分登った先にあるのは、湯気が立ち上る青石の湯船。
霧に包まれたり、雪に覆われた山々を眼下に眺めていれば、旅の疲れだけでなく、
日々のストレスもどこかへ行ってしまうだろう。
この天空露天風呂のほかにも、混浴露天風呂や貸し切り五右衛門風呂、足湯
そして露天風呂付き客室もあって、各々の楽しみ方で温泉を楽しめる。
湯上り処の「半兵衛の家」では、囲炉裏に薪がくべられ昔ながらの雰囲気が味わえ
また食事も囲炉裏を囲んで“祖谷そば”や“でこまわし”(ごうしいもやこんにゃくなどを 串に刺し、味噌をつけて食べる田楽に似た料理)など、郷土料理を中心に楽しめる。
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新祖谷温泉ホテルかずら橋」を出て、さらに祖谷川を遡ると、
平家の落人たちが追っ手を逃れて最後にたどり着いたとされる東祖谷に入る。
またこの地は、東洋文化研究家のアレックス・カー氏が、かつて初めて祖谷を
訪れたとき、「日本の自然の中でも最もファンタスティック」、
茅葺き屋根が山腹に点在する様子を「仙人の住処を見るよう」と表現した場所でもある。
その後、同氏は東祖谷のに土地と築300年の茅葺き屋根の民家を手に入れ、
「篪庵(ちいおり)」と名付けた。そして、現在まで「日本の田舎の美しさを残したい」、
「伝統文化に根ざした環境にやさしいコミュニティを作りたい」として、
地元の人と一緒に様々な活動を続けている。ここは誰でも見学することができ、
またゲストとして滞在することもできる。
ところで、「もみじ亭」で食べた祖谷そばを作っている都築さんは、
ここ東祖谷で「古式・そば手打体験塾」を行っている。
そば打ちの行程はいたってシンプル。蕎麦の実を臼で粉にして、練って、打って、
切って、そして茹でるだけ。ただ、ポイントは素早く。
「三たて、三かえり」という言葉があるように、ひきたて、うちたて、ゆがきたてが
理想の食べ方だと、都築さんは言う。
他にも豆腐やいも、こんにゃくなど、地元産の食材を使った郷土料理も教えて
くれるので、ぜひ予約して訪れたい。
そして、東祖谷まで来たら見ておきたいのが「かかし村」。東祖谷の名頃地区で、
実に80体以上のかかしがいるのだ!(その数は、地区の住民より多いそう)
もともとは鳥追いのために、もともと人形作りが得意だった同地区に住む綾野さんが
作り始めたのがきっかけで、その数が増えるにしたがい口コミで話題となり、
今ではちょっとした観光スポットになっている。
農作業する様子やバス停で休んでいるかかしはとてもリアルで、
通りがかった人がかかしに挨拶したり、道を聞くこともあったそうだ。
大歩危・祖谷地方は古くから外界と隔絶された環境ゆえ、食や住環境、
伝統文化や伝説など、つい最近まで様々な“古いもの”が残ってきた。
それは、ここを初めて訪れた人も、故郷としていない人にとっても「懐かしい」と
思える日本人のDNAに刻まれた“懐かしい遺伝子”を刺激する場所だ。

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