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お遍路とは、今からおよそ1200年前の弘法大師(空海)の 足跡をたどって、四国の八十八ヶ所の霊場を巡拝することです。 四国の4県はそれぞれ徳島を「発心」、高知は「修行」、 愛媛が「菩提」、香川は「涅槃」の道場とされています。 大師信仰に基づいた四国遍路ですが、真言宗以外の宗派も あります。どこから始めてもよく、札所の番号順にまわっても その反対でも構いません。服装も特にこうでなければいけないと いうものではないなど、四国遍路は巡礼の旅でありながら 自由でおおらかな雰囲気があり、すべての人を受け入れる 懐の深さをもっているのです。

 

 

四国遍路はどこから始めても、順序がバラバラでも、一度に全部まわらなくても大丈 夫で、その方法も歩き、自転車、バイク、公共機関なども自由という懐の深さも魅力 です。

 

■札所の巡り方

・順打ち…一番札所から八十八番札所まで番号順に巡ることで、一番オーソドックスな巡礼方法。
・逆打ち…八十八番から一番へ巡礼すること。順打ち3回分のご利益があると言われている。
・通し打ち…すべての霊場を一遍に巡りきること。
・区切り打ち…適当に区間を区切って巡ること。
・一国参り…一つの県を一国として回ること。

 

■巡礼のスタイル

・歩き遍路…全行程を歩く伝統的な修行を重視したスタイル。(所要日数目安45日、経費目安40万円)
・ツアーバス遍路…八十八ヶ所参りに、一国参りなど、さまざまなツアーが用意されています。(所要日数目安9日~12日、経費目安21~25万円 ※ツアーにより異なる)
・車遍路…天気や時間などを気にせず、また少し離れた観光地などにも行け、気軽に巡ることができます。(所要日数目安10日、経費目安14万円 ※レンタカー代別)

 

 



初めからすべてを揃えなくても構いませんが、 菅笠、白衣、金剛杖を身につける人が多いです。 周りからみても、お遍路さんとわかるので、 道を教えてくれたり、声をかけてくれたりすることも。 一番札所の他にも、遍路用品を購入できるところが あるので、必要に応じて揃えていけばOK!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

1.菅笠(すげがさ)

日よけ、雨よけになる菅笠は、参拝時や僧の前でもかぶったままでもいいですが、靴 を脱ぐ場所では脱がなければなりません。笠には、弥勒菩薩(みくろぼさつ)を表す 梵字(ぼんじ)、同行二人の文字、そして「迷いがあるから壁に囲まれ自分のもに執 着するが、悟りを開けば全ては十方は空くう)だ。もともと東も西もない。どこに 南や北があるというものか。」という文字が書かれています。

2.輪袈裟(わげさ)

参拝の正装具。文字入りもありますが、四国遍路以外にも使うなら無地のものが無難。参拝の時は手を清めてから輪袈裟を付け、トイレの際は外します。

3.数珠(じゅず)

煩悩の数108個の球が連なる真言宗用の数珠が一般的。自分の家の宗派のものでもよい。

4.金剛杖(こんごうづえ)

杖の上部には五輪塔をかたどった刻みがあり、空・風・火・水・地を表す5つの梵字 が書かれています。杖は弘法大師の化身なので、不浄な場所に持って入らず、休む際 も杖の先を洗ってふき、合掌し、出かける際も合掌してから持ちましょう。また、橋 の上ではお大師さんが橋の下でお休みされたことがあるという言い伝えから、杖を突 かないならわしがあります。

5.白衣(びゃくえ)

白衣(道中着)はお遍路さんの正装。袖無しのものもあり、それは笈揩と呼ばれてい ます。

6.頭蛇袋(ずだぶくろ)・さんや袋

納経帳や納札、数珠、経本、線香、ロウソク、ライターなど持ち物を入れて肩から斜めにかけて持ち歩く。布製やペットボトル入れポケットのついたものなど、いろいろあります。

7.納経帳(のうきょうちょう)

参拝した証として各寺の納経所で墨書とご朱印をいただくための帳面。回るたびに同じ納経帳を使って重ねて印をしていきます。何度も回っているお遍路さんの納経帳はご朱印で真っ赤になっています。

8.納札(おさめふだ)

読経あるいは写経を納めた証に本堂と大師同の2カ所でこの札を納めます。1枚ずつ表には自分の住所(○○市郡ぐらいまで)と名前、参拝年月日を。裏には願い事などを書いておきます。お接待を受けたときは名刺代わりに納札するのがマナー。

9.御影入(おみえ(おすがた)いれ)

納経所ではご朱印にお寺の御本尊が描かれた御影の絵をいただく。その絵の保存帳。回り終えたあと、御影の絵を掛け軸に表装することも。

10.経本(きょうほん)

般若心経や各札所御本尊の真言などが書かれた、四国霊場巡拝用のものがよい。お経を覚えていても経本を手に持って読経するのが正しい作法。

 

取材協力/いよてつ順拝用品課

 

歩き遍路の場合は、山道だけでなく舗装道に対する 対策も必要。まずは歩きやすい靴を選ぶこと。 荷物の重さもよく考えて、道中は無理しないように 自分にあった行程を組むことが大切です。

 

…自分にあったウォーキングシューズを選ぶこと。 雨天時でも快適に歩けるよう、防水・透湿性のあるものが オススメ。

ザック…自分の体型に合ったもので、容量は男性で25リットル、女性は20リットルく らいが長時間歩行に向きます。軽量化が道中の安全快適な歩行につながります。

ウエストポーチ…小銭入れなど何度も利用する小物を入れるのに便利です。

着替え…必要最小限にとどめて、道中の宿泊施設などで選択するのが荷物を少なくす るコツです。寒い時期は重ね着で調節するのが有効です。

雨具…ザックも一緒にカバーできるポンチョ式が実用的です。

帽子…日よけや小雨よけの他、体力を温存する効果があります。

救急用品…途中で補給できるので必要最小限に。足のマメや筋肉痛対策も必要です。

…やむなく夜間歩行する場合の備え(ヘッドライト・反射材)。

水筒…道中にてこまめに水分を補給する(夏期は大きめのもの)。喉の乾きを感じる 前に補給しましょう。

アンダーウエア・ソックス…吸汗性、速乾性に優れたものがオススメで、ソックスは フィット感のあるものがいいでしょう。

その他…手ぬぐい、携帯電話、時計、携帯用蚊取、携帯トイレ、方位磁石、カメラ、常備薬、保 険証、チョコやビスケットなどの補給食。
 

 

【STEP1】

「これからお参りさせていただきます」の気持ちを込めて、まずは山門や入口にて一礼。駐車場から境内に直接入る札所も多いが、できれば門の前に回り一礼してから入りましょう。全ては気持ちの問題。
 

【STEP2】

次に、手水舎(ちょうずや)でひしゃくに水をひとすくい。左手→右手の順に水をか け、左手で受けた水で口をすすぎ、残りの水をひしゃくの柄に流してすすぐ。どれだ け洗っても御利益は変わらないので、くれぐれも水は大切に・・・もったいないの精神 をお忘れ無く。
 

【STEP3】

輪袈裟(わげさ)を首にかけ、数珠を手にしたらいよいよお参りも中盤。仏様にこちらを向いてもらうためについても良いというお寺のみ、一度だけ鐘をつく。早朝など近隣の迷惑になる時間帯は控えましょう。ちなみに、参拝後につく鐘は「戻り鐘」といわれ、功徳が消え縁起が悪いとされているそうです。
 

【STEP4】

その後、本堂へ向かい納札は納札箱へ、写経は写経箱へそれぞれ納めましょう。納札はひとり1枚。日付、住所(市町村名ぐらいまで)、名前を前もって書いておきましょう。裏に願い事や般若心経を書いておく人もいます。
 
     
 

【STEP5】

お次は灯明、線香、おさい銭。灯明は仏様の知恵を、線香は仏様の徳をいただくために上げます。ロウソクは1本、線香は通常3本とされている。後から来る人の事を考えて線香は中心に、ロウソクは奥または上段から立てるのが通常。どれだけ勢いよく投 げても御利益は変わらないので、おさい銭はそっと差し入れるようにしましょう。
 

【STEP6】

さぁいよいよここからが本番! お経を読みます。合掌礼拝し、覚えていても経本を手に持って読みながら、ご本尊とお大師さまを念じつつ読経します。
 

【STEP7】

お経を読み上げ心が静かになったら、大師堂へ行き参拝。八十八ヶ所すべての寺に本堂と大師堂があり、大師堂でもSTEP4~6を繰り返します。ほかにもお堂があれば、お参りします。
 

【STEP8】

最後は納経受付。参拝後に納経所で、納経帳に揮毫と朱印をいただく。寺の御本尊が描かれた御姿(おすがた)もいただき御影保存帳などにしまいます。料金は納経帳300円、掛軸500円、判衣200円。
 
     

★注意★

納経所の受付は午前7時から午後5時まで。基本年中無休ですが、山あいのお寺などは日暮れも早く季節によっては早めに閉めることもあるので油断は禁物。また春秋や日曜・祝日は格段にお遍路さんが増え、受付に時間がかかるので注意が必要です。 納経所では御影をいただくのを忘れないように。自由にとって帰れるところは特に忘れやすいので要注意!

 

 

 

■十善戒

十善戒は、身と口を意のはたらきをすべて正しく生きていくことを心に誓い実践して行くことである。弘法大師は「諸戒は十善を本にす」と説かれている。

1、「不殺生」(ふせっしょう)…殺生しない 2、「不偸盗」(ふちゅうとう)…盗みをしない 3、「不邪淫」(ふじゃいん)…邪淫はしない
4、「不妄語」(ふもうご)…嘘はつかない 5、「不綺語」(ふきご)…お世辞を言わない 6、「不悪口」(ふあくく)…悪口を言わない
7、「不両舌」(ふりょうぜつ)…二枚舌を使わない 8、「不慳貧」(ふけんどん)…欲張らない 9、「不瞋恚」(ふしんに)…怒らない
10、「不邪見」(ふじゃけん)…物事を見た目だけで判断しない    

 

■遍路用語集聞き慣れない言葉にとまどうことも多いお遍路用語を解説。

[札所(ふだしょ)]
巡拝するお寺のことで、参拝して納め札を納めるという意味。

[番外札所(ばんがいふだしょ)]
八十八札所以外の大師ゆかりの地や社寺。

[本堂(ほんどう)]
寺の本尊(主な仏や菩薩)を祀る寺の中心となるお堂。

[大師堂(たいしどう)]
寺の中で弘法大師が祀られているお堂。

[大日如来(だいにちにょらい)]
密教の本尊(根本の仏様)、宇宙の本体であり絶対の真理をあらわすとされる。

[お大師さま(たいし)]
弘法大師・空海。

[真言宗(しんごんしゅう)]
弘法大師を開祖とする密教の宗派。

[般若心経(はんにゃしんぎょう)]
仏教の教えを短くまとめたもの。

[発願寺(ほつがんじ)]
巡礼を始めた寺がその人にとっての発願寺となる。大師に心願を立てる寺。

[結願(けちがん)]
八十八カ所全てのお寺をお参りしおえること。一番札所から順打ちすれば、八十八番の霊山寺が結願寺となり、途中から始めた場合は、88番目に訪れた寺が結願となる。

[お接待(おせったい)]
お遍路さんへのサービスやお布施のこと。地元の人たちが自ら「お接待です」と食べ物や飲み物をくれたりする。このサービス、断らないのが基本。なので、そういった場面に遭遇した場合は、恥ずかしがることなく、臆することなく、感謝の気持ちをもって受けよう。この時自分の納札を名刺代わりに差し出すのがエチケット。

[同行二人(どうぎょうににん)]
「同行」とは一緒に神仏を参詣する人=道づれのこと。つまり、この言葉は一人でいても常に弘法大師がそばにいるよという意味。

[打つ]
札所を参拝すること。打つというのは、昔の巡礼者が自分の名前を書いた木札をお寺 に打ち付けていたことに由来します。

[南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)]
お大師さまにすべて委ねるという意味。

  [順打ち(じゅんうち)]
札所を一番札所から順に参ること。

[逆打ち(ぎゃくうち)]
「順打ち」とは反対に札所を八十八番札所から逆に参るのこと。逆打ちは順打ちよりも御利益があるとされている。

[通し打ち(とおしうち)]
札所を一度に全て参ること。

[区切り打ち(くぎりうち)]
札所を区分けして参ること。

[一国参り・一国を打つ(いっこくまいり)]
四国の一県のみの札所を参ること。

[御影(みえ、おすがた、みかげ)]
納経所でご朱印と一緒にいただくことができる、その寺の御本尊の姿を描いた絵。これを全て集めて掛け軸に表装したり、御影帳(みえちょう)に保存して家宝にしたりする。

[善根宿(ぜんこんやど)]
主に歩き遍路に一夜の宿を無料で提供してくれるところ。お接待のひとつ。

[先達(せんだつ)]
四国霊場を何度も回っている先導者のこと。四国八十八カ所霊場会が定める制度では、巡礼4回以上の経験者から公認される。

[お四国(おしこく)]
四国八十八カ所の札所のこと。「お四国さんに回られよんですか?」というような使
い方をする。四国霊場巡拝そのもの、またはお遍路さんを指す意味合いもある。

[週末遍路(しゅうまつへんろ)]
最近多くなってきている区切り打ちのパターン。主に週末利用して札所を回る。

[打ち戻り(うちもどり)]
次の札所へ行くために、通った道を戻ること。

[遍路ころがし]
遍路泣かせの険しい難所のこと。11~12番や19~20~21番への道のり、標高750mの60番、標高910mの66番など。

[お勤め(おつとめ)]
通常はお寺で行われる法要や勤行のこと。札所での参拝、納経、遍路自体もお勤め。